こんにちは!元警察官トレーナーのいってつです!本日はバーベルスクワット(以下スクワット)のフォーム解説です。「筋トレの王様」と呼ばれているほどVeryHardな種目だけに、ケガのリスクもトレーニング効果のリターンも高い種目です。
この記事を読めば、スクワットの正しいやり方と注意点が分かって、引き締まったサラブレットのような脚を手に入れられるでしょう!
スクワットってどんな種目?
フォームの解説をする前に、スクワットがどんな種目かを簡単に解説します。まぁ、一言でいえば「しゃがむ」ですよね。
では皆さんその「しゃがむ」ってどんな動作か説明できますか?
しゃがむってどんな動作?
膝を曲げる?それとも座る?お尻を落とすことでしょうか?どれも間違いではありませんが不十分です。正解は「重心をまっすぐ降ろす」ことです。じゃあその重心ってどこなんだい?って話はフォームの解説でお話しましょう。
ここでは、スクワット=バーベルを担いで重心をまっすぐ降ろす種目 ということだけ頭に入れておいてください。
スクワットの効果
最近になって「ダイエットにはスクワット!」というワードが色々なメディアで発信されており、下半身の筋肉は大きい(全体7割ほど)ので、鍛えることで代謝が上がることもよく知られるようになって来ました。喜ばしいことです。
スクワットで特に鍛えられる筋肉は主に大腿四頭筋と大殿筋です。簡単に言うと、太腿の前側とお尻ですね!
他にも立ち上がる際には腿裏のハムストリングスが、バーが乗った上半身を支えるために脊柱起立筋群や、僧帽筋も使われます。総じて、引き締まった綺麗な脚と、ヒップアップ効果があるトレーニングだと言えるでしょう。
また、下半身が強くなることで階段上りや靴の着脱といった日常動作も楽になります。下半身の筋肉量が多く、鍛えると代謝アップに効果的ということは先述しましたが、筋肉だけでなく細胞内のミトコンドリア(エネルギーをつくる)も効率よく増えていくことで、疲れにくい体を手に入れることもできます!
やらない理由がない。きついけど。
セッティングのやり方
それではスクワットを行うためのラックのセッティングについて解説していきます。必ずご自身の体に合った調節をして行うようにしましょう!
どこに担ぐかでバーの高さは違う
スクワットでバーを担ぐ位置によってバーをセッティングする高さは変わりますが、実際にバーを担ぐ位置より少し下にフックを設定しましょう。
ほとんどのラックのフックは「レ」の字をしているので、バーを少し持ち上げなければラックアップが出来ませんので、膝を軽く曲げた状態でバーを担ぐ必要があります。
高すぎるとラックアップが難しくなりますし、低すぎると体を大きく前傾させないといけない→腰に負担がかかるので、写真のようにまっすぐ立った姿勢で「肩より下、腋より上」くらいの位置にフックの先端がくるようにしましょう。
セーフティとカラーは絶対に忘れないように
ベンチプレスの解説でも口酸っぱくお伝えしましたが、スクワットでも適切なセーフティの調節はマストです。潰され防止はもちろんのことですが、担いでいるバーが落ちてしまった時にセーフティがないと床を傷つけてしましますし、万が一後ろに倒れてしまってもバーがセーフティにかかってくれることで、床に頭を強打する事態を防ぎやすいです。
概ね屈伸でしゃがんだ姿勢で肩の高さと同じくらいにするといいでしょう。後述しますが、どこまでしゃがむかでバーがどこまで降りるかも変わるため、自分が行うスクワットの深さが決まってきたらそこに調節するようにしましょう!
また、スクワットはベンチプレス以上に左右のバランスがぶれやすいため、プレートの滑り落ち防止のカラーも必ず装着しましょう。
スタートポジションのとり方
バーの高さとセーフティの調節ができたらスタートポジションをとります。
手は添えるだけ
バーの握り方から解説しましょう。というより、見出しの通りですがバーベルスクワットにおいてバーは「握る」というより「後ろに落ちないよう支える」に留まります。
逆に強く握ってしまうと手が撓屈(親指側に曲がる)してしまいます。この状態で重いバーを支えると、担いでいるだけなのに手首を痛めてしまいかねませんので、握り幅は「肘から手が真っすぐになるように」とって、バーは強く握りしめずに添えましょう。
体はバーの真下に入れる
スクワットで腰を痛めてしまう方によく見られるのは、バーよりだいぶ手前に立って担ぐ癖です。「腰」とは「腰椎」のことであり、背骨の一部です。バーの手前から担ごうとすれば体が前傾=背中が丸まった状態で重量が背中にかかってくるわけですから、腰に大きな負荷を負わせることになります。
そのため、バーの真下に入れるように体をバーにくっつけた状態から担ぐようにしましょう!体だけでなく、足もしっかりバーの下に潜らせてから背骨の真上にバーが来るように担いでいきます。
バーを担ぐ位置は2種類
バーの担ぎ方は大きく分けて2通りあります。それぞれの特徴と自分との相性を試して決めましょう。
肩の上に担ぐハイバースクワット
一つ目は「ハイバー」、首の後ろ~肩の上に担ぎます。特徴としては
- 肩の上に乗せるのでローバーより簡単で、巻き肩気味でも担ぎやすい
- 上半身をまっすぐにした姿勢でしゃがめる
- 大腿四頭筋を重点的に鍛えられる
- 首や肩の骨にバーがあたるので痛く感じる場合もある(ストレートネックの方に多い)
などが挙げられます。
肩の後ろで担ぐローバースクワット
もう一つの担ぎ方は「ローバー」肩の後ろ~僧帽筋で担ぎます。特徴としては
- バーと体が接している面積が大きいので安定する。
- 体をやや前傾させてしゃがむ。ある程度背中の筋肉が必要。
- 大殿筋を重点的に鍛えられる。内転筋の稼働も大きい。
- 肩の後ろに担ぐため、ある程度肩関節の可動域が必要。(巻き肩の方はかなり窮屈)
フォームの解説
ここまでセッティングとスタートポジションについて解説いたしました。
ここからはフォームの解説に入ります。
足幅と向きの決め方
スクワットの足幅に決まりはありません。狭くすると深くしゃがみやすく大腿四頭筋を鍛えやすく、広くするとしゃがむ深さは浅くなりますが、大殿筋や内転筋を鍛えやすくなる特徴がありますが、肩幅くらいのスタンスで行うのがベーシックです。
この時、足と膝が少し外を向くようにしましょう。椅子に座って脚を開くと自然に足と膝が外を向くので、肩幅に開いたときの角度を参照にするといいでしょう。足幅まで決まったらラックアップして、1足分後ろに下がりましょう。
スクワットの重心は?
冒頭でスクワットとは「重心をまっすぐ降ろす種目」と解説しました。ではその重心とはどこのことでしょうか?
スクワットにおける重心とは、バーと距骨(足首の骨)の間を指します。
スクワットの動きとして「お尻を落とす」「椅子に座る」と言われることが多いのですが、動きの中心がお尻になると…
このように体が大きく前傾しがちになります。バーと足首の間もまっすぐではなく、バーの重さが前に来ているので腰への負担も大きくなりますが、肩の後ろに担ぐローバーで担げば重心がまっすぐになりますので、ローバースクワットではこのようにお尻をやや突き出したフォームが推奨されます。
もちろん膝からしゃがんでいくフォームも×です。上の写真を見るとバーが足首より後ろに来ているのが分かります。このようなフォームでは膝にかかる負担が大きくなってしまいます。
3つの関節を同時に動かす
重心をまっすぐ降ろすには、スクワットに関わる股関節・膝関節・足関節の3つの関節を同時に稼働させることが重要です(これをトリプルエクステンションといいます)。そのためには膝orお尻でしゃがむのではなく重心の線上にあるおへそをまっすぐ落としていくイメージを持ち、立ち上がる時は地面を蹴るように強く動きましょう。
どこまでしゃがめばいい?
最後はどこまでしゃがむべきかについて解説しましょう。
結論から言うとパラレルスクワット(太腿と床が平行になる深さ)以上です。
太腿と床が平行になるこのポジションでようやく大腿四頭筋に負荷がかかるようになりますので、重くてあまりしゃがめない重量で行うよりは、きちんとここまでしゃがめる重量で行うようにしましょう。
より脚への負荷を強くしたいのであれば、パラレルよりも深いフルスクワットや、完全にしゃがみ切るフルボトムスクワットがおすすめです。
ただし、深くしゃがもうとしてフォーム(特に重心)が崩れてしまうと本末転倒なので、自身の柔軟性に合わせて選びましょう。ちなみに、僕はフルボトムまでしゃがむと背中が丸まってしまうのでフルスクワットまでにしています。
なお、股関節や足関節、ハムストリングス(腿ウラ)の動的ストレッチを行うことでスクワット中の柔軟性を高めることができます。
まとめ
今回はスクワットの種目とフォームについて解説しました。内容をまとめると
①スクワットは大腿四頭筋と大殿筋を鍛える種目であり、ダイエット効果や日常動作への貢献度がたかい。
②ラックのフックは肩より少し下、セーフティは屈伸でしゃがんだポジションで肩と同じ高さに設定し、カラーも忘れずにつける。
③手首が左右に曲がらないように手幅を決め、バーの真下に体を潜り込ませられるように、バーに体を密着させてから担ぐ。肩の上に担ぐハイバースクワットと、肩の後ろに担ぐローバースクワットがある。
④足は肩幅がベースで膝と共に少し外に開き、バーから足首の重心を床からまっすぐ(垂直)になるよう、おへそを落としていくようにしゃがむ。大腿四頭筋に負荷がかかるように太腿が床と平行になるまでしゃがむ。
以上となります!
このブログでは、皆さんのフィットネスライフに役立つ情報をお届けしてまいりますので、次の投稿もまた見に来てくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!