皆さんこんにちは!パーソナルトレーナーのいってつです!
ベンチプレスは筋トレの中でも特に男性人気が高い種目ですが、鍛えたい大胸筋に効いていなかったり、肩や手首が痛くなったりする経験はないでしょうか?僕も正しいフォームがみにつくまでは、しょっちゅう手首を痛めていました…。ケガのない正しいフォームを身につけることが出来れば、扱える重量が伸びていき、もっとベンチプレスが好きになることでしょう!と、いうことで今回はベンチプレスのフォームを写真付きで解説します!
この記事をみることで、①ベンチプレスがどんな種目か②どうやってセッティングすればいいか③正しいフォームをつくるにはどうするのか が分かるようになりますので、最後まで見ていってくださいね!
ベンチプレスってどんな種目?
トレーニング好きの皆さんに改めて説明するまでもないと思いますが、ベンチプレスを簡単に説明すると、「ベンチにあおむけになってバーを押し上げる種目」です。
主に使われる筋肉:大胸筋>上腕三頭筋(二の腕の外側)
補助として使われる筋肉:三角筋(肩)前部、上腕二頭筋(二の腕の内側、力こぶ)、前鋸筋(胸骨の体側と肩甲骨につく)、烏口腕筋(腋の内部)
↓主な効果
男性:かっこいい胸筋、引き締まった二の腕
女性:バストアップ、引き締まった二の腕
その他:巻き肩改善に効果あり、多くの筋肉が稼働するため消費エネルギーが高い
などの特徴が挙げられます。特に男性の分厚い胸筋は「モテ筋」なんて言われるくらいですから、人気なのも頷けますよね!それでは早速フォームを解説していこうと思います!
バーとセーフティの設定の仕方
…といいつつ、まずはベンチプレス台のバーとセーフティの高さ調節から。話はそれから、付け忘れるなカラー。
絶対つけようセーフティ!
セーフティとは簡単に言えば潰れ防止です。体の上で、場合によっては自分の体重より重い金属を動かすわけですから、もし途中で力つきたら…なんて考えたらぞっとしますよね…。実際、アメリカではベンチプレス中の〇〇事故が毎年のように起こっているそうです。セーフティを正しく設定すれば、そういった事故を防いでベンチプレスに集中できるので、必ず設定しましょう!
高さの設定はベンチで仰向けになった状態で胸より少し高くなればOKです!実際に行う際は後述しますが胸を張る姿勢を作るので、しっかり下まで降ろしてもバーがセーフティに当たることはほとんどありません。
バーの位置は低すぎず高すぎず
バーの高さ調整も重要です!低すぎると、ラックアップ(最初に持ち上げる時)が大変ですし、高すぎると今度は戻す時が大変です。人によっては多少低いor高い方がやりやすいという方もいらっしゃいますが、目安としては、仰向けになって腕をまっすぐのばした状態で、前腕の中間~手首の間の高さに調節すればラックアップも戻す時も楽になりやすいです!
カラーも忘れずにつけましょう!
これはベンチプレスに限った話ではありませんが、バーにプレートをつけてトレーニングする際は必ずカラーをつけましょう!(輪っか状のプレートすべり止め)種目中にバランスを崩したりすると、バーにつけたプレートが滑落する危険があります!この場合、自分というよりは周りの方やジムの設備に被害が出る恐れがありますので、皆が安全に気持ちよくトレーニングするためにもカラーは忘れずにつけるようにしましょう!
スタートポジションの取り方
セーフティとバーの高さを調節したら、ベンチに仰向けになりスタートポジションをとります。ここでは、体の位置と握り方を解説しましょう!
ベンチではなくバーを基準に位置どる
ベンチに座り仰向けになったらバーを持ちやすい位置まで体をスライドさせます。この時に重要になるのが、ベンチのどこに寝そべるかではなく、体のどこがバーの下にくるかということです。
突然ですが皆さん、目の前に壁があると思ってエアーで押してみてください。手や腕の高さはどうなりましたか?ほとんど方はみぞおちくらいの高さから押し始めて、肩の高さで押し切ったと思います。この高さが、人がものを前方に押し出す時に最も力を伝えられるポジションなのです。
そのため、バーに対する体の位置は、このみぞおち~肩の軌道を邪魔しないようにとる必要があります。バーの位置が肩より頭側にくるようにすれば良いのです。とはいえ、位置が頭側すぎるとラックアップの際に力が伝えにくく、戻すのも大変ですから概ね首~鼻下くらいの間で、自分がやりやすいと感じるポジションを見つけるといいでしょう。腕が長めであれば鼻側、短めであれば首側で調整するといいポジションが見つけられるはすです。
いい握り方は「握らない」?
次にバーを握ります。握る位置はバー内側の縦線(81cmライン)に中指がくるくらいの位置から調整しましょう!調整の方法はこの後紹介します。
大事なのは、力強くバーを握り締める…のはNGということです。握力を使いすぎて前腕が疲労してしまいますし、何より手首が反ってしまい、手首を痛める原因になってしまいます!僕も正しい握り方を覚えるまでは何度も手首を痛めてしまいました…。
ベンチプレスにおける正しい握り方とは、「握る」というよりは手根に「乗せる」方法です。上の写真の手の部分を見ると、手根(手のひらの一番下)にバーベルが乗っているのが分かると思います。このように握ることで、前腕の真上にバーが乗っかり、手首が反らなくなるということです。下の写真を見るとより分かりやすいかと思います。練習として、手でgoodを作り、指で隠れていない部分にバーを乗せてみると感覚が掴みやすいです。(セーフティはお忘れなく!)乗せ方ができたら、指を包むように握ってあげれば完成です!
フォームの解説
スタートポジションができたら、ラックアップしてセット開始です!一連のフォームに沿って解説していきます。まずは姿勢のつくり方です。
“胸を張る”や”ブリッジ”って、何?
ベンチプレスの上達における常套句として、「胸を張る」や「ブリッジをつくる」といったワードがよく使われます。なんとなく体を反らす感じかな?とお尻から胸でアーチを描くようなフォームをとりがちですが、これは危険です。
腰を大きく反らしてしまうと、腰椎(背骨の腰部分)が本来のカーブから逸脱してしまい、そこに重いバーの負荷を受けて胴体を支えようとすれば、腰椎の椎間板(骨の間のクッション)が圧迫されてしまい椎間板ヘルニア等の怪我につながる恐れがあるのです。腰椎は本来丈夫で安定している部位ですが、ベンチプレスに関わらず無理に曲げた状態を続けたり負荷をかけたりすると痛めてしましやすいのです。そのため、ジムでよく見るお尻を上げるフォームも推奨できません。お尻をあげるとより力はでますが、これは持ち上がらなくなった時の最後の手段としてとっておきましょう。
話を戻すと、正しいベンチプレスの胸の張り方とは胸”だけ”を張る姿勢です。胸といっても広いので、肋骨を上に突き上げるイメージが分かりやすいと思います。胸を大きく反らすと当然下背部も少し浮きますが、腰椎のカーブが大きくなっていなければ、腰を痛める心配はないでしょう。
みぞおちの横へ肘を開いていく
姿勢をつくったらバーをラックアップして、降ろしていきます。位置については、スタートポジションの項目でも説明した通り、みぞおちに向けてバーを降ろすことで強く自然にバーを押し返すことができます。
この時に重要なのは二の腕~肘の動きです。「バーを降ろす」という意識が強くなり、二の腕を垂直に落としていきがちですが、これでは少し勿体ないです。
ではどう動かすのか?の前に、今回使いたい大胸筋の働きについて理解しておきましょう。大胸筋は、上部~下部で若干違いはあるものの、共通して「横に伸ばした二の腕を正面に回旋させる」というものがあります。(これを水平内転といいます)「Tの字」のポーズから「前へならえ」をするイメージです。バーを挙げる動きは正に二の腕を真横から正面に回してしますし、バーを降ろす時にはその重さに耐えるために大胸筋が二の腕を正面に回そうとする働きが作用します。
少々小難しい話になってしまいましたが、要するにベンチプレスは二の腕~肘を開いてバーを降ろし、閉じるようにバーを挙げれば大胸筋をバッチリ使うことができる、ということです。
降ろした際の肘の角度に注目!
バーをしたまで下げたら、肘の角度を確認しましょう。正面から見て肘の角度が90度になっていれば正しい手幅とフォームが取れている証拠です。
肘が大きく開いている場合は持ち幅を狭く、肘が内側に曲がっている場合は持ち幅を広くしてみて、自分のベストな持ち幅を探しましょう。手首や肘への負担を大きく減らし、重量や回数も伸ばせるはずです!
肩をすくまないように注意
重量を上げていくにつれ、自然と体に力みが出て来ると思います。そこで気をつけていただきたいのが、肩のすくみ、つまり肩を上に突き出すような姿勢です。
肩の関節は、色々な方向に二の腕が動かせるように設計されているのですが、その分繊細で壊れやすいという弱点があります。詳しく解説すると長くなりますが、肩をすくんだ状態で腕を動かすと何だか詰まったような感覚がすると思います、この状態でベンチプレスのような負荷の強いトレーニングを行うとそんな繊細な肩の関節が傷つきやすくなり、痛みが出る原因になってしまいますので、肩をすくめてまで力を出すくらいなら正しいフォームで挙げられなくなったらお終いにしちゃいましょう。限界の先に待っているのは成長よりもケガかもしれません。
まとめ
なんとも分かりやすいベンチプレスのフォーム解説、いかがだったでしょうか?
今回の内容のまとめです。
①セーフティの高さは仰向けで胸の高さより少し高く、バーの高さは仰向けで腕を伸ばし前腕の中間~手首の高さ。必ず自分の体に合わせて設定し、プレートをつけたら必ず滑り止めのカラーで固定する。
②バーの真下に首~鼻下がくるように位置取り、バーの81cmラインを基準に、手根の上にバーを乗せて手首が反らないように持つ。
③腰を反らないよう、肋骨を突き出すようにフォームをつくる。バーはみぞおちに向かって肘を開くように降ろし、閉じるように挙げる。ケガ防止のため肩がすくまないようにする。
以上となります!ベンチプレスは初心者~上級者問わず人気なだけにケガの報告も多い種目です。この記事の内容でフォームを予習し、ベンチプレスを安全に楽しんでいただけたら幸いです!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!このブログでは、皆さんのフィットネスライフを楽しく安全に過ごしていただくための投稿を続けていきます!見に来てくださいね!