健康習慣

【ダイエットする前に見て!】最も身近でよく知らない炭水化物の正体と役割

いってつ

こんにちは!元警察官トレーナーのいってつです!

ホカホカの白米、ふわふわのパン、ほっぺが落ちるほど甘美なスイーツ…僕たちの身のまわりには炭水化物でできた食品で溢れています。それと同時に、「炭水化物は太るから気を付けた方がいい」という認識も世に広がっています。日常的に健康を気遣っている人、またはダイエット経験者なら「炭水化物」「糖質」というワードを聞いただけでピクッと反応するかもしれませんし、炭水化物そのものが体に悪いものだという意見もあります。

正直言ってそれは逆張りです。

前もってお伝えしますが、炭水化物そのものは基本的にダイエットや健康を害するものではありません。今回はそんな糖質の役割について、元警察官・現役パーソナルトレーナーの僕が解説いたします!

この記事を読めば、炭水化物がどんな役割を栄養で、健康やダイエットのためにどう付き合っていくかが分かるようになります!

「炭水化物」と「糖質」、そして「食物繊維」

皆さんがよく口にするであろう白飯は「炭水化物」とも「糖質」とも言われますが、この違いが分かる人は案外少ないのではないでしょうか?何がどう違うのかについて解説しましょう!

炭水化物とは?

炭水化物」とは単糖類で構成された有機化合物です。

…と言っても分かりにくいと思います。

ブドウ糖や果糖というものは聞いたことがあるでしょうか?これらの糖としての最小物質を「単糖類」といいます。この多糖類が2種類くっついたものを「二糖類」、3~9個ついたものを「少糖類(オリゴ糖)」、10個以上で「多糖類」と呼びます。

主な糖類

単糖類:ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース、マンノース

二糖類:ショ糖(砂糖、スクロース)、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、トレハロース、イソマルトース

少糖類:ラフィノース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖

多糖類:デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、グルコマンナン、イヌリン など

この内、ご飯やパンなどの主食はデンプン甘いものに使われる砂糖はショ糖であり、ブドウ糖と果糖でできていることを覚えておきましょう!

糖質と食物繊維

それでは糖質とはなんでしょうか?

先ほど解説した炭水化物の内、体に吸収されてエネルギーになるものが”糖質”であり、逆に言えば炭水化物からエネルギーにならないものを除いたものということになります。

そのエネルギーにならない炭水化物こそが「食物繊維」と呼ばれるものです。

糖質=炭水化物-食物繊維 これは覚えておきましょう!

糖質の役割とちょっと怖いところ

もう言ってしまっていますが、糖質=体のエネルギーです。もはや一般常識レベルなので、簡単にどういったメカニズムでエネルギーになるか、そして何故僕たちは糖質を摂りすぎてしまうのかを解説します。

食べた糖質の行方

消化酵素によってブドウ糖に分解される

ご飯やパン、スイーツはみな糖質と呼ばれていますが、原材料はお米や小麦、砂糖とそれぞれ異なります。それでも同じ糖質として吸収されるのは、体内でエネルギーになるブドウ糖に分解しているためです。

どうやっているのかと言うと、人体は口内~小腸にかけて様々な消化酵素を分泌していて、単糖の集まりだったデンプン(多糖類)が二糖類に、そして単糖類のブドウ糖に分解されていきます。

最たる例が唾液です。唾液には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれていて、お米を良く噛んで食べると甘みを感じるのはこの消化酵素によるものです。

小腸で吸収されて肝臓へ、そして体脂肪

分解され続けてブドウ糖になった糖質は小腸で吸収された後、血中に送られたり(「血糖値」の血糖になる)、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。これは体脂肪ではなく、運動や非常時(低血糖時)のエネルギーとなるものです。

このグリコーゲンとして蓄えられる分にはもちろん限界があります。肝臓には約100g、筋肉には個人差はありますが250~400gほどまでは貯蔵できるとされていますが、グリコーゲンが十分溜まっている状態なのに糖質を摂り続けると血中に溢れた糖がやがて体脂肪として蓄積されていまいます。

いってつ

筋肉量を増やせば貯蓄できるグリコーゲン増やせますから、筋トレやりませんか?

他の単糖類はどうなる?

「ブドウ糖エネルギーになるのは分かったけど、果糖やガラクトースはどうなるの?」

と思われるでしょう。

果糖やガラクトースも肝臓でブドウ糖になりエネルギーになる他、果糖そのものが肝臓のグリコーゲンとして使われます。マンノースは体内でほとんど使われず、尿として排出されます。

が、果糖には注意しなければならない点があります。

果糖に要注意

果糖は体内で吸収が遅く、血糖値を大きく上げるわけではありません。

「血糖値を上げないならむしろ健康にいいのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、血糖値が上がらないということは、満足感を得にくくたくさん食べてしまうことに繋がります。ご飯は大盛りで食べるとお腹いっぱいになるのに、甘いスイーツやジュースはたくさん飲み食いできてしまうのはこれが一因です。

また、ブドウ糖は体内のエネルギーが十分な場合は、エネルギーに変換されないように酵素が働きますが、果糖にはその仕組みがなく、過剰なエネルギーをつくり続け体脂肪を増やしやすいのです。

果糖が含まれる砂糖や、ジュースなどによく添加されている「果糖ブドウ糖液糖」はあらかじめ量を決めて摂る必要があると言えますが…

糖質とドーパミン

そう言ってもやめられない止まらないのは、甘いものは脳がどんどん摂るように反応してしまうからです。

いってつ

僕も羊羹を1つ買おうとしたら饅頭も買っていたことがあります…怖いなぁ

これは甘みを脳が感じた際に放出される「ドーパミン」が原因で、いわゆる快楽物質と呼ばれているものです。人の脳は理性があると言っても快楽には中々抗えず、ドーパミンを求めて行動してしまう中毒症状に陥ります。何気なく食べているスイーツは実は物凄い中毒性があり、砂糖は麻薬以上の劇物と言われるのはこれが理由です。

こうして考えると糖質=毒という考えも否定できないんですよね…。

スイーツの量をコントロールするには肉や魚、野菜などの血糖値を上げずに満足感を得られるものを先に食べたり、ドーパミン対策としてスイーツを食べる以外の楽しみを見つけるなどがあります。

大事なエネルギー源であることは忘れないで!

糖質は食べ過ぎになりやすくて太る原因になる…という旨の話をしてしまいましたが、それでも人間が活動する上では大事なエネルギー源です!

エネルギーである糖質が不足すれば活動量や消費エネルギーも落ちてしまいますし、余りにもエネルギーが枯渇している状態が続けば体は生命維持のためにどんどん消費カロリーを落としてしまうため、糖質を抜くだけのダイエットは逆効果です。

どんな栄養にも言えることですが、食べすぎも食べなさすぎもいけません。基本的には1日に摂取するカロリーの5~6割は糖質を摂り、1日3食以上でバランスよく配分して食べましょう。

いってつ

脂質をメインのエネルギーとする「ケトジェニック」ではこの限りではありません!

食物繊維の種類と役割

食物繊維」とは、炭水化物の中で人体で消化・吸収されない(されきれない)ものの総称です。デンプンなどと同じ多糖類に分類されますが酵素によって代謝されにくい構造を持っていて、主に腸内環境を整える効果があります。腸活というやつですね!

そんな食物繊維ですが、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分けられます。

果たして何がちがうんでしょうか?

水溶性食物繊維の役割

水溶性食物繊維は、その名の通り水に溶ける性質を持つ食物繊維です。

主に海藻類、オートミール、大麦、アボカド、ごぼうなどに多く含まれます。

主な性質と役割として、

・水に溶けて腸でゲル状になる→消化物の腸内移動速度を調節する、便を柔らかくする便秘解消、血糖値上昇を緩やかにする作用

・腸内の糖や、コレステロール、老廃物をからめとって排出する(デトックス)→血糖値やコレステロール値改善、自律神経の安定

・腸内細菌の餌になる→善玉菌が生み出す短鎖脂肪酸が増えるエネルギー代謝を維持し、体脂肪が蓄積されにくい体質になる

などがあります。

よく言われる整腸作用以外にも、痩せやすい体をつくるのに水溶性食物繊維が大きく関わっています。

不溶性食物繊維の役割

水に溶ける水溶性食物繊維に対して不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質を持ちます。

主にオートミール、大麦、根菜類、アブラナ科野菜(ブロッコリーやキャベツ)などに多く含まれています。

主な性質と役割として

・水を吸って膨らむ→便のかさが増えて固形を保つ→軟便解消              

          ↳消化物が膨らむ→満腹感の持続→間食・食べ過ぎ防止

・かさを増した便が腸壁を刺激する→腸の蠕動運動(収縮と弛緩を繰り返してうごめく)活性による便秘解消

後述しますが、不溶性食物繊維は水溶性食物繊維よりも必要量が多くなります。特に軟便でお悩みの方は不溶性食物繊維不足を疑ってみましょう!👍

摂り方と注意点

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、1:2の割合で摂ることが推奨されていて、厚生労働省によれば、生活習慣病予防の観点では男性:1日21g、女性1日:18gを目標量と定めています。

日本人の食事摂取基準(2020年版)‐厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

1日に摂るべき食物繊維をざっくり20gとしたら、

水溶性7~8g、不溶性12~13gがおおまかな目安になると言えます。

とはいえ、腸内環境の状態によっては過剰摂取による障害も起こりえるので、腸内環境の症状から必要な食物繊維を増やしていき、便の状態や膨腹感改善できたらその量とバランスを目安にするのが現実的です。

ちなみに腸内環境全体が変化するには概ね2週間ほどかかるとされているので、改善や要腸内環境の維持のためにも毎日バランスよくとりたいところです。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、オートミールや大麦、ごぼうには水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も豊富に含まれているので、腸活するならこれらの食材を積極的に選んできたいところです。

過剰摂取で起こること

健康やダイエットにかかせない食物繊維ですが、摂りすぎによる弊害もあります。主に水溶性食物繊維の摂りすぎは軟便を、不溶性食物繊維は便秘を引き起こします。

また、水溶性食物繊維は脂質や糖の吸収を緩やかにする=妨げるので、脂質の摂取を必要最低限に抑えるローファットダイエットをしている場合は吸収できる脂質が欠乏する可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

今回は炭水化物の正体と役割について解説しました。

  1. 炭水化物は単糖類で構成された物質で、糖質と食物繊維に分かれる。
  2. 糖質はブドウ糖として体のエネルギーになる。
  3. 糖質の摂りすぎは体脂肪が増える原因となる。特に果糖や砂糖には注意が必要で、脳から分泌するドーパミンの影響で摂りすぎになりやすい。
  4. 糖質自体は大事なエネルギー源なので、1日の摂取カロリーの5~6割で3食以上分けて摂る。
  5. 食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分かれる。腸内環境を整える効果や痩せやすい体をつくるために必要不可欠

以上です!

炭水化物と上手く付き合って健康でエネルギッシュな日々を送りましょう!

次回も読者の皆さんに役に立つ情報をお届けします!最後まで読んでいただきありがとうございました!それでは良いトレ日を!

ABOUT ME
いってつ
埼玉県で活動している現役パーソナルトレーナー。大学を卒業し、警視庁の警察官として4年半勤務。トレーニングを通じて人々を幸せにしたい思いから退職し、VALXトレーナースクールでトレーナーとしての基礎を磨き、令和6年4月からパーソナルトレーナーとしての1歩を踏み出す。