こんにちは!なんかお腹がいてぇいってつです。デッドリフトとは、数あるフリーウエイトの種目の中で最も重量を扱える種目であり、僕も好きな種目ですが、やり方を間違えて重量をあげてしまうとどこの誰かさんみたいに腰を痛めてしまいます。そこで、元警察官トレーナー兼デッドリフトで椎間板ヘルニアになったことのあるこの僕、いってつが今回は筋トレBIG3が一角、デッドリフトの種目とフォームについて何とも分かりやすく解説しようと思います。
この記事をみれば、そんなデッドリフトについての理解が深まりデッドリフトを怪我なく楽しめるようになることでしょう!
デッドリフトってどんな種目?
フォームの解説をする前に、デッドリフトがどんな種目なのかについて解説しましょう。
デッドリフトの動作
デッドリフトについて簡単に説明すると、「床に置いたバーベルを、体を前傾させて引き上げる種目」です。派生種目として、バーベルの位置を膝付近に調節して行う「ハーフデッドリフト」や、反対にバーベルを引き上げた状態から体を前傾させる「ルーマニアンデッドリフト」がありますが、今回はBIG3として、床からバーベルを引く「フルデッドリフト」、その中でも足幅を腰幅にする「コンベンショナルデッドリフト」を解説します。
デッドリフトの効果
デッドリフトで主に鍛えられる筋肉は、脊柱起立筋群・大殿筋・ハムストリングス(腿ウラ)です。デッドリフトでは補助的に使われる筋肉が非常に多く、大腿四頭筋・下腿三頭筋(ふくらはぎ)・僧帽筋・広背筋…と、ざっくり下半身と背面の筋肉を全体的に使う種目と言っていいでしょう。日常生活では背面の筋肉を使う機会に乏しく、それが原因で姿勢不良になってしまうケースが多発しているので、デスクワーカーの方にこそデッドリフトをおススメしたいですね。
デッドリフトの語源
デッドリフト。なんだか厨二っぽいネーミングですが、「死ぬほどきついから」「遺体を持ち上げるような動作だから」などの説があります。少々不謹慎なお話で申し訳ございません、僕は元警察官なので分かるのですが、仏様は実際より重く感じる(重心を調節できないから)上に、落として傷をつけるわけにはいきませんので一人では持ち上げられません。なので僕として前者の「死ぬほどきついから」を支持します。死ぬほどきつい分やった後は気持ちいいんです。
セッティング方法
デッドリフトのセッティングはとても簡単です。
①床にバーベルを置く
②プレートをつけてカラー(滑り止め)をする。
以上。ですが、注意点が二つほどあります。
その床、バーベルが落ちても大丈夫?
これはマナー的なお話になりますが、デッドリフトをやる時はバーベルを落としても大丈夫な場所で行わなければなりません。バーベルから手を放してしまった時はもちろんのこと、高重量のデッドリフトであればバーを床に戻しただけでもかなりの衝撃が床に加わります。フローリングやフロアタイルに落としてしまえば当然凹みや傷の原因になりますし、音が響き渡って他のお客さんや下の階に迷惑をかけてしまいます。
そのため、デッドリフト(特にフルデッドリフト)を行う際は必ず緩衝材が敷いてあるエリアか、デッドリフトスタンドで行うようにしましょう。大型店舗にはほとんどの場合、フリーウエイトエリアに緩衝材が敷き詰められているので、そこで行う分には問題ありません。ただし、個人運営のジムなどの小型店舗では床引き(フル)デッドリフトが禁止になっているところもあるので、貸し切りレンタルする時などは特に気を付けましょう。そういった場所ではダンベルの投げ捨て等も無論厳禁です。
バーの位置が低すぎるのはNG
これはデッドリフトをプレートなし、または~5kgほどの小さいプレートを重ねて行っている方に注意していただきたいことですが、バーの位置が低すぎると軽重量でも腰を痛めやすくなるということです。
デッドリフトではつけている一番大きなプレートの半径がバーの高さになるわけですが、その位置が低すぎると腰を丸めて手を降ろさなければなりません。後述しますが、デッドリフトでは腰を丸めたり反ったりすると、痛みやケガの原因になるのでバーの位置が低いなと感じる場合は、大きいプレートをつけたり、マットやラックのセーフティに乗せて高くしてあげましょう。
スタートポジション
続いてスタートポジションのとり方を解説していきます。
足の位置について
まずは足の位置です。冒頭でも触れましたが、基本的なデッドリフトでは足の幅は腰幅で行います。気を付けていただきたいのは、足を肩幅にしてしまうと腕と脚(特に膝)が当たってしまいやりにくいということです。大殿筋や腿ウラをしっかり使うためにも、腰幅程度の足幅にしましょう。今回は説明は省きますが、足幅を肩幅より広くする「スモウデッドリフト」スタイルもあります。
バーに対しては足の指がバーの下になるくらいの位置で、少し外に向けて置くのがおススメです。個人個人でベストポジションが微妙に異なりますが、バーの位置は肩関節の真下に、足が腰幅になると膝・足の関節は微妙に外を向く(脚の付き方による)ポジションが自然な体の使い方ができるので、基準として覚えておいてください。
手幅は肩幅
上の写真のように、デッドリフトの手幅は肩幅でOK。広く持つと広背筋を使いやすいとは言われていますが、その広背筋の動きである肩関節の伸展(二の腕を縦回転で後方に回す)動作が短くなり、僧帽筋でバーを吊り上げることが難しくなって上背部が安定しないので、デッドリフトの根幹からは外れてしまうと思います。
フォームの解説
ここからはいよいよフォームの解説です!高重量トレーニングで用いられる腹圧のお話は別の記事で解説しますのでご了承くださいませ!
ヒップヒンジを作ろう!
デッドリフトで一番重要なのはヒップヒンジという姿勢を作ることです!
上の写真のように、①膝は軽くクッションを持たせて②股関節をしっかりまげながら③お尻を後ろに突き上げる姿勢こそがヒップヒンジ!直訳してお尻蝶番といったところでしょうか?なんだそのパワーワード。
この姿勢を作ってあげることで、背中の力とお尻&腿ウラの力を連動させて上半身を起こすことができるので、本来は体を前傾させることでかかる腰への負担を激減させ、出力そのものもUPします!是非マスターしましょう!
体は真っすぐ!反らせない丸めない。
デッドリフトで背中を丸めてしまうと、背中の湾曲が大きくなり上手く背中の筋肉を使えないばかりか、腰への負担が鬼増します💦腰に重い負荷をかけ続けると、椎間板という脊椎のクッションが圧迫され、そこに通っている神経から痛みが出る椎間板ヘルニアになる恐れがあります。そう、冒頭で触れた僕もなったことのあるケガですね…!
腿のウラが固いなどの理由でヒップヒンジが出来ない方内は、デッドリフトをしないようにしましょう!腿ウラが固い方には、レッグカールやワンハンドのルーマニアンデッドリフトがおすすめです。⚠また、背中をまっすぐキープできないような重さで行うこともNGです!
デッドリフトの間違った指導法でよくありがちなのが、背中を丸めないように反らして正面を見るというもの。これも背中のカ-ブが大きくなり危険です!
椎間板ヘルニアの完治には数か月を要します。とにかく無茶厳禁!
腿ウラで押し出し、背中で起こす
デッドリフトで背中の力を上手く使うためには、背中の筋肉を固めることです。デッドリフトにおいて背中は常に収縮をキープした状態(コンセントリック収縮)を維持します。そのために、バーを体に引き付けるように背中に力をいれます。これで背中(主に僧帽筋)がバーを吊り上げる準備はOK。
しかし、デッドリフトは背面の筋肉を総動員させる種目です。ただ背中だけで頑張ったところで床から高重量を挙げることは難しいですし、何度も言いますが腰に悪いんです。
そこで使うのは腿ウラの筋肉ハムストリングスです。ハムストリングスは、曲がった股関節を伸ばす動きに作用します。ヒップヒンジで前傾した姿勢から股関節を伸ばすことで、上半身を起こそうとする背中と連動して働きます。
体に近い位置でバーを動かす
画像を見ると、バーが垂直に移動しているのが分かると思います。バーが体から離れないようにコントーロールすれば自然と垂直に移動するのですが…
このようにバーが体から離れてしまうと、いくらヒップヒンジが出来ていても背中が丸まてしまいます。膝~スネをかすめるイメージでバーをコントロールしましょう。
降ろす時も力は抜かない
降ろす際は挙げる時の逆再生です。ヒップヒンジを作りながらバーを床に降ろします。
デッドリフトでバーを降ろす際に、勢いよくガシャーン!と降ろす方がたまにいらっしゃいます。確かに、重いバーを持ちながらゆっくり降ろすのは大変なのですが、背中の力を抜いて自由落下させるのは寧ろ危険です⚠腕がバーの重さで強く引っ張られてしまい、肩甲骨に腕をはめている関節唇(すっぽ抜け防止のパッキンのようなもの)を痛める恐れがあります。降ろす時に多少音がなってしまうのは最早暗黙の了解ですが、背中の力は抜かないようにしましょう。
まとめ
それでは今回のまとめです!
今回はデッドリフトの種目やフォームについて解説しました!
- デッドリフトはBIG3の1つであり、主にハムストリングス、大殿筋群、脊柱起立筋群をはじめ、背面全体を鍛えるトレーニング。
- バーにプレートをとカラー付ける、プレートなしならクッション等にのせてセッティングし、フリーウエイトエリアなどの緩衝材が敷いてある場所で行う。
- スタートポジションの足は腰幅、手は肩幅。足の付け根をバーの真下に潜らせる。
- トレーニング効果を高め、腰を守るためにヒップヒンジの姿勢をとる。背中は真っすぐをキープする。
- 背中に力を入れた状態で、腿ウラを前に押し出すように股関節と上半身を起こしていく。バーは体の近い位置でコントロールする。
- 背中の力を抜かずに、ヒップヒンジを作りながらバーを降ろす。
以上!
難易度の高い種目ではありますが、これが上手くなれば出来ない種目はないと言ってもいいでしょう!ケガなく高重量を挙げてデッドリフトで生を実感しましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!