こんにちは!元警察官トレーナーのいってつです!突然ですがトレーニーの皆さん、筋肉痛はお好きですか?トレーニング効果を実感できて嬉しいと思う方もいれば、日常動作に影響でるし、単純に痛いから好かない方もいらっしゃるでしょう。僕は好きです。
中には筋肉痛が来ないと、トレーニングが筋肉に効いていないと不安になるという声も結構多いと思います!そこで今回は筋肉痛について、
- 筋肉痛と筋肉の発達にはどんな関係があるのか?
- 筋肉痛とはそもそも何なのか?
- 筋肉痛を軽減する方法は?
- 筋肉痛との付き合い方
を解説していきます!この記事を読めば、筋肉痛と筋肥大の関係と、正しい付き合い方が分かってくるので、最後までお付き合いお願いします!
某日、某交番にて…
ん?どうした太陽!胸を押さえて…!苦しいのか!?
いえいえ💦大丈夫です先輩!実は昨日、腕立て伏せ100回やったんですけど筋肉痛がこなくて…効いてないのかなって心配してたんですよ…。
なぁんだ、そんなことか。なら俺がその悩みを物理的に解決してやるぞ!
科学的にお願いします…。
筋肉痛と筋肥大は関係ない
結論から述べると、筋肉痛と筋肥大には関係がありません。
三頭筋のトレーニングを回数を変えて行い、体感した筋肉痛と筋肥大の関係性について調べた研究では、筋肉痛の有無や強さと筋肥大には相関性が認められなかったの結果が出ています。筋肉痛が起こらなくても、トレーニングの質が悪いと気にすることはないというわけです!
あれ?ちょっと待って下さい!筋肉痛の「体感」だと、人それぞれで感じ方が違うんじゃないですか?
お、鋭いね!さすが太陽!
それでは筋肉痛が体感で決められてしまうのは何故でしょうか?
そのお話をする前に、筋肉痛の分類について解説しましょう。
筋肉痛は2種類ある
筋肉痛が2種類あることを皆さんは知っていますか?筋肉痛がいつ起こるかによって
「即発性筋肉痛」と「遅発性筋肉痛」の2つに分かれているんです。
一般的に、筋トレ後における筋肉痛は「遅発性筋肉痛」の方で、運動後1~2日後に生じる筋肉痛です。対して「即発性筋肉痛」は運動中~直後に発生する筋肉痛で、筋肉の緊張状態が続くことで発生する「水素イオン」が発生し、疲労感に近い筋肉痛を発生させます。
今回のお話では「遅発性筋肉痛」をメインに取り上げていきます!
ちなみに疲れ=乳酸のイメージが強いけど、乳酸そのものに疲労を感じさせる特性はないと言われているぞ!
筋肉痛のメカニズム
それではいよいよ筋肉痛の仕組みについての解説をしていきましょう。
筋肉痛を感じるのは脳
先ほど取り上げた、筋肉痛が体感で決められてしまう理由。答えはシンプルで、痛覚を感じているのは脳であり、痛みそのものを明確に測定することができないからです。
筋肉痛は現場(筋肉)で感じてるんじゃない!会議室(脳)で起こってるんだ!
“痛み”とは神経が脳に伝えて感じる反応ですが、筋肉(筋繊維)そのものには痛みを感じる神経が通っていません。それでは、何が筋肉から脳へ痛みを伝えるのでしょうか?
キーワードは「炎症」
実は筋肉痛が何故起こるメカニズムについて詳しいメカニズムはまだはっきりと解明されているわけではありません。現在のところは「絶対」というよりは「十中八九」の解析に留まりますが、キーワードは筋繊維の「炎症」です。
そういえば、炎症ってよく聞くけど何なのかはよく分かんないなぁ…。
「炎症」とは体の免疫反応のことで、筋肉における「炎症」とは筋肉がトレーニングなどによって損傷し、そこに傷を修復するために血中の白血球が集まってくることで炎症が発生します。
炎症することで、ヒスタミン、プロスタグランジンといった物質(生理活性物質)が発生しますが、これらの物質が溢れて筋膜(筋細胞を覆う膜)の感覚神経を刺激した結果、痛みが生じる。これが現時点での筋肉痛メカニズムの通説です。
超ざっくりイメージ図
痛みの感じ方が人それぞれな通り、この炎症と感覚神経のメカニズムにも個人差があると考えると、筋肉痛と筋肥大関係性はますます薄く見えてきますね。
ここまでをまとめると、筋肉痛とは筋肉が損傷すると筋肉に炎症が起こり、発生した物質を筋膜の神経がキャッチして脳に痛みとして伝える現象で、筋肥大が促進されていても、炎症や生理活性物質の発生が少なければ筋肉痛が弱い、あるいは起こらない可能性があるということになります。
ちなみに、遅発性筋肉痛が1日~2日遅れてくるのは生理活性物質が溢れてくるまでには時間がかかるからだと考えられています。
筋肉痛と筋肥大のトリガーは一緒
??? やっぱり関係あるってことですか?🌀
落着きたまえ、大元の原因が一緒ってことだぞ!
筋肉痛の原因は、筋繊維の損傷から始まることが分かりましたね。
では筋繊維の損傷は何で起こるか?―――そう、筋トレですね!特に、筋肉が伸びていく際のエキセントリック収縮によって筋繊維はより損傷しやすくなります。そして、筋繊維を損傷させることは筋肥大のトリガーでもあります。また、普段使っていない筋肉に負荷をかけても筋繊維の損傷は起こりやすいです。
つまり、筋繊維の損傷は筋肥大にも筋肉痛にも繋がる。言い方を変えれば、筋繊維を起因に筋肥大ルートと筋肉痛ルートは別チャートになっているということです。
筋肉痛と筋肥大は双子の兄弟みたいなものだね!
筋肉痛を軽減するには?
そういえば、筋肉痛って軽くしたり早く治す方法ってあるんですか?
朝練の柔道で筋肉痛残ってるとしんどくて…。
んあ~…柔道ねぇ(実は苦手)
ともかく、筋肉痛を抑えることが期待できる対策はいくつかあるぞ!
血流を促す
筋肉痛は発生から1日~2日、長ければ3日ほどかかることもあります。筋肉痛メカニズムの定説に乗っ取るのであれば、血流を良くしてあげることが筋肉痛をを軽減し、早めに回復させるコツと言えるでしょう。
痛みの原因である炎症も、裏返せば体が回復しようとしているサインです。そして、炎症にまつわる物質も、筋肉を修復する材料も血液に乗ってやってきます。タンパク質などの栄養摂取も重要になりすが、簡単に考えればこの血液の流れ、血流を良くしてあげれば筋繊維や炎症の回復を促進できそうです。主な方法としては、
- ・しっかり時間をかけて入浴する(15~20分程度)→エプソムソルト浴がおすすめ
- ・運動後のストレッチや、安静時のマッサージ→マッサージガンがおすすめ
- ・血流を促進する栄養を摂る→アルギニン、シトルリン、カフェイン等
などがあります!経験上、どれも劇的な効果があるわけではありませんが、日常生活における筋肉痛の影響を軽減したい方は試してみてください!
エプソムソルトはAmazonでも簡単に購入できるぞ!体がめちゃくちゃあったまるから太陽も試してみ!
寮生活(浴場共有)だから無理っす💦
筋肉痛が起こりにくいトレーニング
筋肉痛をある程度予防する方法もあります。
筋肉痛の要因である筋繊維の損傷はエキセントリック収縮で起こりやすいことは先程解説した通りですが、逆に言えばエキセントリック収縮を避けてコンセントリック収縮をメインにトレーニングを行えば筋肉痛を起こしにくいと言えます。
腕立て伏せに例えると、筋肉を伸ばす(腕を曲げて胸を降ろす動作)を浅くして、筋肉を短縮させる(腕を伸ばしてを体を挙げる)動作をメインに行う…と言ったものです。
筋肉の成長はざっくり言うとストレス反応によるものなので、筋繊維の損傷を狙わなければ筋肉が発達しないわけではありません。しかし、筋肉を肥大させるには筋繊維の損傷が最も重要ではあるので、もし筋肉を大きくしてバルクアップすることが目的なら、基本的には筋肉痛は避けて通れないと言えます。
筋肉痛の好き嫌いは結構分かれるから、筋トレを勧める時、教える時に筋肉痛大好きマンは気をつけよう!
筋肉痛との付き合い方
ここまで解説してきたことを踏まえて、筋肉痛とはどのように付き合うべきかを解説していきます!
筋肉痛の時は筋トレしていいの?
あっ、そういえば先週の腕立て伏せはちゃんと筋肉痛が来たんですよね。
翌日の朝稽古でも腕立て伏せやったんで参りましたよ…。
な、何だって!?太陽!
君は大胸筋様の気持ちを考えたことないのか!?鬼だ鬼!
な、何ですか急に…。
筋肉痛は謂わば、「今、筋繊維傷ついてるから治すまであんまり使わないでね!」というメッセージです。筋繊維が傷ついているということは、筋肉の収縮力が弱くなっていてトレーニングパフォーマンスが落ちる他、筋繊維の損傷が広がり回復が遅くなってしまい、せっかく頑張って筋トレしたのに筋肥大が阻害されてしまいます。
そのため、筋肉痛が残っている部位のトレーニングは控えることをおススメします。他の部位をトレーニングするか、筋肉痛が収まるまで休息しましょう💤ちなみに、筋肉の損傷が回復しても、筋膜の神経には生理活性物質が残っていて筋肉痛が治っていない場合もあります。
筋肉痛で喜んじゃダメなの?
ここまでの内容で筋肉痛は筋肥大に関係ない、筋肉痛がなくても気にしないでいいと解説してきましたが、それでは筋肉痛が来ても筋肥大を期待できないのでしょうか?
これについてはポジティブに考えてOKです!つまり、筋肥大が起こるくらい筋繊維を損傷できたな!と捉えれば良いのです。しかし、筋肉の損傷が長引いていれば肉離れの可能性も否定できませんし、筋肉痛=筋肥大ではないことは忘れないでください。
それでも俺は筋肉痛が好きだ!
まとめ
それでは本日の内容についてまとめましょう!
- 筋肉痛と筋肥大には直接の関係がなく、筋肉痛がなくても気にする必要はない。
- 筋肉痛には「即発性」と「遅発性」があり、筋トレ後1日~2日で起こる筋肉痛は「遅発性」である。
- 主にエキセントリック収縮により筋繊維が損傷し、修復のために集まった白血球が炎症を起こすことで発生する生理活性物質が時間をかけて溢れだす。筋膜の感覚神経がこれをキャッチすることで脳が筋肉痛を感じる。
- 血流を良くすることで筋肉痛を軽減し回復を促進できる他、コンセントリック収縮を重視したトレーニングなら筋肉痛が起こりにくい。
- 筋肉痛が発生している部位のトレーニングは避けるべき。筋肉痛が起こっているということは、筋繊維を損傷させるほどのトレーニングが出来た証なので、ポジティブに捉えて良い。
以上となります!
筋肉痛がなくても筋肉はちゃんと応えてくれていたんですね!
その通り!あえて言おう、筋肉は裏切らないっ!
それじゃあ太陽!非番は合トレだ!
えぇ!?せめて昼寝はさせてくださいよ!?
次回も読者の皆さんに役に立つ情報をお届けします!最後まで読んでいただきありがとうございました!それでは良いトレ日を!