ダイエット

【オイリーなダイエット】ケトジェニックダイエットのやり方(PFCバランスと注意点編)

はじめに

こんにちは!元警察官トレーナーのいってつです!

1つ前の記事にてケトジェニックダイエットの根幹となるケトン体について解説しました。
今回「ケトジェニックダイエットの特徴とPFCバランスの計算方法」について解説します!

どんなカロリー計算で、どんな食材を食べて、どんな人に向いているかが分かる記事になっているので最後までご覧ください!

ケトジェニックダイエットとは?

ケトジェニックダイエットとは、糖質をカットして脂質を摂取することで生成される「ケトン体」をエネルギーにするダイエット方法です。簡単に言えば糖質制限ダイエットです!
ケトン体についての詳細は上記「1つ前の記事」にて解説していますが、簡単におさらいすると

「糖質をエネルギーにする代謝経路でつくられるピルビン酸が、ミトコンドリア内でのエネルギー生産に使われるという役割を、脂質からつくられるケトン体が肩代わりする」

といった仕組みです。

フリー素材に手を加えた図も乗っけます↓

ケトジェニックのよくある疑問や注意点

ケトジェニック概要を聞いて

糖質を摂らないのも体に悪いんじゃない?

と思う方もいらっしゃると思います。その感性はダイエットをする上でめちゃくちゃ大事です!それでは糖質をカットする理由と体への影響について説明します。

糖質をカットする理由とメリット

糖質をカットする理由は大きく分けて2つです。

①ケトン体の生成を増やすため

ケトジェニックダイエットでは体脂肪をケトン体としてエネルギーにすることが重要なのですが、体がケトン体を生成するためには体内のグリコーゲンを消する必要があります。

グリコーゲンとは筋肉や肝臓に貯めている糖質のことで、それぞれ運動時とエネルギー不足時に消費されていきます。そしてケトン体は、特に肝臓のグリコーゲンがある程度減少していて、新しく補充されていない状況でなければあまり生成されません。そのため、糖質の摂取を遮断する必要があるのです。

②中性脂肪の合成を防ぐため

脂肪について解説したこちらの記事で解説した通り、体脂肪はグリセロールに3つの脂肪酸がくっつくことで合成されます。

いかに摂取カロリーを消費カロリー以下に抑えているといっても、体脂肪が全く合成されないというわけではなく、体脂肪の「カタボリック(分解が進んでいる状態)」「アナボリック(合成が進んでいる状態)」を上回っているに過ぎません。

ケトジェニックダイエットの場合、グリセロールとなる糖質をカットすることで体脂肪の合成効率を下げ、体脂肪のカタボリックをより進めることが期待できるということになります。

糖質を摂らないメリット

糖質を摂らないことのメリットとして、血糖値が安定することがあげられます。

摂取した糖質は血液中に流れて血糖値を上げ、インスリンが細胞に血糖を運び込むことで血糖値を下げる仕組みですが、
・糖質の摂取量が多い
・砂糖などの強化吸収が早い食品の摂取
・早食い
・長時間の空腹後の食事

などの条件が重なることで血糖値が急上昇してしまいます。
血糖値が急上昇すると、その分インスリンも多量分泌されるのですが、今度は血糖値が大きく下がりすぎてしまい低血糖状態に陥ります。これを「血糖値スパイク」といいます。
低血糖では
・気分の落ち込み
・イライラ
・眠気
・空腹感

といった症状が現れやすく、よろしくない気分と空腹感のせいで、甘いもの…つまり血糖値を上げやすいものを欲してしまうという悪循環に陥る危険があります。

また、上記の条件に当てはまらなくてもインスリンの働きが強くなりすぎる「高インスリン血性低血糖症」という疾患も存在します。

ケトジェニックダイエットでは糖質を摂らない分、こういった血糖値スパイクの症状避けることが出来ます。

糖質を摂らないことの弊害は?

「糖質を摂らないダイエットは体に悪い」というのは健康的なダイエットにおける常識になりつつあります。僕もケトジェニックダイエットについて話すと「体に悪いんじゃないか?」という疑問をよく投げかけられます。実際はどうなんでしょうか?

ケトン体がしっかりエネルギーになるが…

糖質を抜くことが体に悪いと言われているのは、エネルギー不足を懸念しての勧告です。
一般的な食生活では糖質を十分に摂取するため、エネルギーになるのは糖質だけという少し間違った常識が広がっているのです。

さきほど触れた通り、ケトン体も体のエネルギーとして働いてくれる他、逆に糖質はエネルギー以外の働きは皆無です。エネルギー源としてケトン体が生成されていればまず問題ありません。

ただし、糖質を摂らない分、解糖系(糖質のエネルギー代謝経路)で生み出される、瞬発的な運動で消費されるエネルギーは少なくなるため、ウエイトトレーニングにおいては使用重量の低下が起こりやすい点には注意が必要です。

ケトーシスになるまでは大変

ケトン体が十分生成されている状態を「ケトーシス」と呼びますが、この状態に持っていくには、体に貯めたグリコーゲンがある程度減っていなければなりません。つまり、糖質をカットした上で数日間(概ね1週間前後)はエネルギー不足がどうしても起こってしまいます。

ケトジェニックダイエットが合わない…

と感じる方が多いのは、このケトーシス移行期間に感じる倦怠感を相性の悪さとして捉えてしまう方が多いようです。
長時間の空腹が続いたり、ましてや1か月水だけで生きられるのもこのケトン体を生成する能力が備わっているからなので、この移行期間のことについては理解した上で取り組みましょう!

糖尿病の方は厳禁

とはいえ、本当に相性が悪いというより、ケトジェニックダイエットがNGな方もいらっしゃいます。それは糖尿病患者の方です。

ケトン体の生成にはインスリンの分泌量と関りがあり、インスリンによる細胞への糖質吸収がなければ、代替エネルギーのケトン体はより多くつくられるようになります。

健康な方であれば、糖質を摂取していなくても常時インスリンが分泌されているので問題ないのですが、糖尿病患者の方はインスリンを上手く分泌できないので、この作用が顕著に現れてしまいます。

そして、ケトン体は強い酸性を持ちます。体の機能が正常に働くためには常に弱アルカリ性を保つ必要があるのですが、ケトン体が過剰に体内に溢れると体は酸性に傾き(ケトアシドーシス)、消化器系や運動能力、ひいては脳や心臓の機能に影響を及ぼす危険があります。

2型糖尿病患者の方場合はインスリンの分泌をコントロールしながら治療するため、糖質を血糖値をあげにくいものを主体にローカーボ(極端にカットしない)の食事をすることが必要になります。よって、糖質を極力カットするケトジェニックダイエットはケトジェニックダイエットはケトアシドーシスの危険が生じるため、基本的にNGです。

どんな人に向いているのか?

ケトジェニックダイエットのやり方を説明する前に、このダイエット法に向いている人と向いていない人を明確にしておきます。

向いている人とその理由

筋肉量が多い→筋肉量が多いとケトン体を消費しやすい
糖質を摂ると眠くなったりイライラしやすい(血糖値スパイク・高インスリン血性低血糖)→糖質の摂取量が少ないので、血糖値が安定する。
脂の多い肉や魚が好き→脂質の多いものを食べられる
・運動強度や頻度が少ないor苦手→ローファットダイエットほど強度の高い運動は必要ない。

向いていない人とその理由

・運動強度や筋肉量を落としたくない→運動強度が下がりやすい
糖尿病患者の場合→ケトアシドーシスの危険
脂っぽいものが苦手orお米や甘いものが好き→食事制限のストレス大
筋肉量が少ない→ケトン体の消費効率が悪い

PFCバランスと計算方法

ここからはケトジェニックダイエットのPFCバランス計算方法の解説です。
PFCバランスとはP:タンパク質、F:脂質、C:糖質のカロリー比率のことです。
タンパク質と糖質は1gあたり4㎉、脂質は1gあたり9㎉です。

g(グラム)数ではなくカロリーなので気を付けて!

PFCバランス

ケトジェニックダイエットにおけるPFCバランスは、

P:F:C=3:6:1 がベーシックになります。糖質の摂取は、ほぼ0で大丈夫です。
タンパク質は大事な役割が多いので、3割からは減らさないようにしましょう。

計算方法


ここでは、僕のダイエットカロリーを基準に割り出し方を解説していきます。

①摂取カロリーを計算

まずは摂取カロリーを計算します。(四捨五入)※計算式詳細はこちらの記事から

体重77kg、体脂肪率17%
除脂肪体重=77×0.83=64kg
基礎代謝=64×28.5=1824㎉/日
一日平均消費カロリー(5日筋トレ、1日休みの場合)={5(1824×1.5)+1824×1.3}÷6=2675㎉/日

摂取カロリー=2675-500=2175㎉/日

②PFCバランス割り出し

まずはメインの栄養素であるタンパク質と糖質の摂取カロリーとgを割り出します。

P(タンパク質)のカロリー=2175×0.3(30%)=約653㎉ 
Pの摂取g=653÷4(1gで4㎉)=約163g

F(糖質)のカロリー=2175×0.6(60%)=1287㎉
Fの摂取g=1287÷9(1gで9㎉)=約143g

残りのカロリーで糖質の摂取カロリーとgを割り出します。※PとF同様、10%計算でもOKです。

C(脂質)のカロリー2175-(653+1287)=235㎉
Cの摂取g=235÷4(1gで4㎉)=約59g

よって、僕のローファットダイエットの場合のPFCバランスとその摂取gは

P:F:C=3:1:6
カロリー(g)/日=P:653㎉(163g)
          F:1287㎉(143g)

          C:235㎉(59g)


                     という結果になりました。
先ほどに説明した通り、糖質は限りなく0にして、その分脂質を増やしても大丈夫です!

最後に

あくまで計算上のカロリーは目安で、実際は
・運動量
・体質
・食材の品質、調理法や調味料などによる摂取カロリー誤差

など様々な要素が絡んできます。そういった面でもダイエットはカロリーを計算した上で、その計算方法や栄養バランスが自分に合っているか、改良が必要なのかを検討するために長期的に&できるだけ楽な強度で続けていきましょう!

次回はケトジェニックダイエットに役立つ食材を紹介していきます!
最後まで読んでいただきありがとうございました! それでは良いトレ日を!

ABOUT ME
いってつ
埼玉県で活動している現役パーソナルトレーナー。大学を卒業し、警視庁の警察官として4年半勤務。トレーニングを通じて人々を幸せにしたい思いから退職し、VALXトレーナースクールでトレーナーとしての基礎を磨き、令和6年4月からパーソナルトレーナーとしての1歩を踏み出す。