はじめに
こんにちは!元警察官トレーナーのいってつです!
ただいま令和5年8月23日、世間ではお米の品薄が起こっていて“令和の米騒動”と言われています。
昨年からの猛暑、特定の食品専用の品種増加、海外からの需要の増加等の理由があるとされていますが、まだ流通していない在庫は十分あるそうで、9月中には解消されるとのことです。よかった。
今回は栄養についての記事を挙げている身として、米が不足した今だからこそ
米以外の主食(炭水化物)にも目を向けてほしい!
と思いたちパソコンをカタカタしております。
お米以外にもいい主食が多く存在することを知り、今後また米不足が起こった際にもスマートに乗り切るためにも是非最後までご覧ください!
なお、本記事でいう「米」とは一般的に食されている白米を指すものとします。
何故、我々は主食を食べるのか
そもそも僕たちは何故糖質を主食として食べるのでしょうか?
主食とは、「日常の食事の中心となる食物」(広辞苑より)とされていて
農林水産省食事バランスガイドでも、主食となる米やパンなどの割合は全体の5~7割とされています。
そんな主食を摂る理由は体を動かすエネルギーだから…というのは栄養について特段関心がなくてもご存知でしょう。糖質自体は体の材料になるわけではないので、実は必須栄養素ではないのですが、人類の食糧事情を考えればある意味では必須なものだと言えます。
人類が糖質である米や小麦を主食として利用し始めたのは1万年ほど前からであり、繁栄に従って定住しながら、採集や狩猟より低リスクに大量の食糧を確保するために農耕を始めたそうです。
それと同時に放牧も進歩していき、安全に食肉を手に入れられるようになっていきましたが、生産効率は農耕に軍配があがります。
日本に至っては、肉類の食料自給率は飼料の輸入も考慮すると、鶏も豚も牛も10%以下なのに対し、米の自給率はほぼ100%に近い数字を維持しています。(農林水産省HPより)
米とはまさに日本人の食文化そのものであり、なくてはならない存在で、「ご飯+お供の主菜(おかず)」これが日本人にとっての3食における最低条件になっています。
当然、麺やパンを食べることも少なくないとは思いますが、年内を通して一番多く食べる炭水化物は米である方が大半なのではないでしょうか?
米以外に目を向ける意味
日本人の主食と米について前振りしてきましたが、ここからが記事の本題である「米以外の主食を考える」その意味についてお話しようと思います。
①米でなくてはいけない理由は…
今回の米不足が報道され、急ぎ米を買いだしたり、通販サイトでポチる方が続出し至るところで品薄状態となったしまいました。Amazonで調べてみてもほとんどの米が10月以降の配送になっています。
〇〇不足で買い占めからの品切れは最早お約束ですが、それほどまで日本人の食における米の需要は高いのでしょう。
鶏肉不足というニュースが流れてもここまでの品薄にはならないんじゃないかな…。
と勝手に想像しております。「鶏肉がなくても魚や豚肉でいいや」となるからです。
ところで、買い占めが起こるほどまで日本人が米に固執するのは何故でしょうか?
考えられる理由は
①慣習的に米を食べているから
②パンや麺と比べ1食あたりの値段が安い
③単純に米が好き
といったところでしょうか。
どれも共感できる理由ではありますが、生命にとって食事をする一番の理由である”栄養”面での理由で米を食べたい方はほとんどいないのではないでしょうか?
何のデータもない意見ではありますが、少なくとも僕自身は栄養があるからという理由でお米を食べてきたわけではありませんし、パーソナルトレーニングのお客様の中にもいらっしゃいませんでした。
食べることの本懐に栄養、ひいては健康や長寿があるとすればお米以外に主食の選択肢を持っておいてもよいのではないでしょうか?
②白米とは、ジャンクフードである
ジャンクフードといえばハンバーガーやピザ、ポテトチップスなどの「体に悪い加工食品」というイメージが強いと思いますが、実際には「栄養価のバランスを著しく欠いた加工食品」です。
つまり、玄米を食べやすくするために糠(ぬか)や胚芽、それに含まれる食物繊維やビタミンBなどを取り除いたジャンク米が白米なのです。
かと言って、白米が体に悪いということではありません!むしろ玄米より消化吸収が良くなり、殻に含有しているヒ素などの有害物質の摂取も避けることが出来るなどのメリットもあります。つまり、単純なエネルギーとして捉えれば白米は優秀な食材であることに変わりないです。
それでも、健康な食習慣を築きたいのであれば、主食としてビタミンやミネラルなどの栄養価が高いものを知って選択できるというカードを持っておいて損はないでしょう。
主食×高栄養価が両立できる炭水化物
ここからは主食としての糖質と、ビタミンやミネラルといった栄養価を両立できる食材をピックアップしていきます。
ちなみに、米のようにおかずと一緒に食べることは想定していないのでご了承ください。
※以下の記事から内容を抜粋しています。
玄米(炊飯後・100g)※白米と同じく品薄になっています
152㎉ P:2.8g F:1g C:35.6g(内 食物繊維1.4g)GI値55
・ビタミンB1、B6、ナイアシンが豊富。
・吸収がゆっくりだが、穀には栄養素や食物繊維以外にもカドミウムやヒ素が微量に含まれるので、白米に混ぜたり1日1食置き換えなどがおススメ。なお、食物繊維の測定法が白米のものと比べ最新でないので現時点(2024/8)ではデータ上白米より低食物繊維となっている。
ジャスミン米(炊飯後・100g)
168㎉ P:2.5g F:0.3g C:37.1g(内 食物繊維0.3g)GI値50前後
・白米同様、ビタミンやミネラルは微量。
・食物繊維は少ないが、デンプン質がアミロース(消化吸収がゆっくり)の割合が多くGI値が低い
・海外米なので、国内の米不足の影響を受けにくい
大麦(押し麦、丸麦)・もち麦 100g
(押し麦・丸麦の炊飯時の推定)147㎉ P:2.99g F:0.67g C:35g(内 食物繊維5.45g)GI値50
・玄米同様、ビタミンB1、B6、ナイアシンが豊富
・水溶性食物繊維やβグルカン(腸内の余分な糖や脂質を除去し、腸内菌の餌になる)が豊富で、もち麦は更に食物繊維が多い(1.5倍ほど)
・米ではないので米不足の影響なし
オートミール(乾燥・100g)
350㎉ P:13.7g F:5.7g C:69.1g(内 食物繊維9.4g)GI値55
・ビタミンB1、パントテン酸(免疫や抗ストレス、HDL(善玉)コレステロール増加)ビオチン(アミノ酸、脂質、糖の代謝酵素)、ナトリウム・カリウム・カルシウムを除く主要なミネラルが豊富。
・脂質がそこそこ多いのと、食物繊維やミネラルがあまりに豊富なので1食~50g程度で1食取り入れる程度から始めるのがおススメ。
さつまいも(100g)
126㎉ P:1.2g F:0.2g C:31.9g(内 食物繊維2.2g)GI値55
・ビタミンB6、ビタミンC(コラーゲン合成、抗酸化作用)、カリウム(体内水分と塩分の調節・排出、電解質)、クロロゲン酸(糖の吸収を緩やかにする、抗酸化作用)が豊富
・甘味があるがGI値は低く、食物繊維やヤラピンが腸内環境を整えてくれる。
じゃがいも(100g)
59㎉ P:1.8g F:0.1g C:17.3g(内 食物繊維8.9g)GI値66
・ビタミンB6、ビタミンC、カリウム、が豊富
・食べ応えがあり100gあたりのカロリーがかなり低い。食物繊維はかなり多いが、皮を剥けば調節できる。
かぼちゃ(西洋かぼちゃ・100g)
78㎉ P:1.9g F:0.3g C:20.6g(内 食物繊維3.5g)GI値65
・ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウムが豊富
・抗酸化ビタミンが多く、免疫や美容に良い。
そば(1束260gあたり)
294㎉ P:12.48g F:1.82g C:57.46g(内 食物繊維3.9g)GI値54
・マグネシウム(エネルギー生産、カルシウム吸収・代謝、筋肉の弛緩)、銅が豊富
・外食やコンビニ食でも選びやすい。タンパク質がかなり多い。
パスタ(乾麺100gあたり)
347㎉ P:12.9g F:1.8g C:73.1g(内 食物繊維5.4g)GI値65(全粒粉は50)
・セレン、モリブデン(鉄の血中運搬)が豊富
・高たんぱく、高食物繊維。ソースのカロリーやグリアジン(腸への刺激が強い)に注意。
バナナ(1本)
小(大)84㎉(140㎉) P:0.99(1.65g)g F:1.8g(0.3g)
C:20.25g(33.75g)(内 食物繊維0.99g(1.65g))GI値55
・ビタミンB6、カリウムが豊富。
・吸収はゆっくりなので、トレーニング前や朝食、間食におススメ。コンビニでも手に入りやすい。
ベーグル(1個)
331㎉ P:11.6g F:1.43g C:71.21g(内 食物繊維2.82g)GI値75
・セレン、モリブデンが豊富。
・パンはバターやマーガリンで脂質が高めだが、低脂質なパンとしてローファットダイエットでも問題なく食べられる。製品によって栄養素は異なります。
ここで紹介した炭水化物は、あくまで栄養価的におススメできる食材です。
ラーメンやパンなども時には嗜好として楽しみましょう!
最後に
ここまで白米以外の主食を選択肢として持つべきというお話をしてきましたが、
かくいう僕も白米大好き人間です🤤
毎日白米食べてます。白米万歳!
とはいえ、白米だけでは食物繊維が乏しいので玄米や丸麦を混ぜたミックスご飯です。
また、1日1食以上は主食をさつまいもに置き換えています。
健康的な食習慣を続けるために大切なのは美味しさ・栄養・コスパを総合的に考えることです。米中心の食生活を大きく変えることはありません。
しかし、米不足というせっかくの機会に栄養を摂れる好みで手軽な炭水化物を見つけてみてもいいのかもしれません。